『塔』7月号掲載歌

霊園に花びらが降り生者にも死者にも春はひとしく来(きた)る

死にし人と死なざるわれの境界線(ボーダー)がわからぬままに花びらを踏む

飛翔体日本上空越えしときわれは川辺のさくら撮りいつ

人の輪の二重三重(ふたえみえ)なる中心に細長き腕の阿修羅王たつ

「少しずつお進みください」人の輪が銀河のごとくゆっくり動く

青信号待つわが前をビル風に光のかけらが流されてゆく


(栗木京子氏選)
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by mizuki_nim | 2009-08-04 21:57 |