『塔』11月号掲載歌

ひとりとは人の背ばかり見ることだエスカレーターに運ばれてゆく

鍋洗いつつ死にたいと思うわれが人間ドックを受けているって

わが鼻ゆ広ごる曇り一瞬ののち収束し銀のしずもり

息とうは波動なのだと思うとき右の通りが悪いと言わる

はないきを測る板から鼻息鏡(びそくきょう)なる医療器具となり名を知りて

寝入るまで耳はもっとも冴えわたり果てから音をかきあつめくる

駒鳥がメールボックスよりわれの手に飛び込むをしっかりと抱く

寝転がり鳥影消ゆる空のありわれはロビンを巣に戻せるか


(三井修氏選)





人間ドックには胃の内視鏡検査が入っていました。
胃カメラです。鼻から入れる方式と口から入れる方式があって、
比較的鼻から入れるほうが楽だというので、鼻から方式にしました。
でも、鼻が詰まっていたりするとカメラが入れられないからと、鼻息
の検査をされたのでした。

夏の日に塔の大先輩であり、大ファンである江戸雪さんの
第四歌集『駒鳥(ロビン)』(砂子屋書房)が届きました。
歌集の題となったエミリー・ディキンソンの駒鳥の詩を初めて知りました。

(抜粋)
Or help one fainting Robin
Unto his Nest again
I shall not live in vain

(by Emily Dickinson)
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by mizuki_nim | 2009-11-21 15:38 |