3月17日のお歌
017:陸 陸橋に吸はるる雨や、春の雨 しづかに我も消えてゆきたし(伊波虎英)
この雨は春の雨でなくては。静かに煙るような雨は消えてゆきたいと思わせるの
です。
009:眠 まっさらなシーツ包まり眠っても腹の黒さの滲まぬ不思議(黒月秋哉)
言われてみればそうだなぁと思います。でも眠るたびに黒くなってしまったら、漂
白が大変そう。
043:馬 金の川(シラムリン)の水面に馬脚をひびかせたぼくだったかもしれない賊は(鈴木貴彰)
モンゴルの草原(?)を流れる川でしょうか。その川沿いを飛沫を上げて走っていく
馬賊が見えるようです。
083:キャベツ 父と母がキャベツ畑で逢ってから一万回目の夕焼け(母談)(岩井聡)
(母談)というのが好きです。お母様が夕焼けを見ながらふっと言ったのでしょ
う。一万回、単純に365日で割ると27.39…。夕焼けのない日もあるから、約30年
ですね、出逢ってから。そういうの、なんだかいいですねぇ。
082:罠 青空は巨大な罠かなにげなく空を見ていただけだったのに(舟橋剛二)
青空は異次元につながっていて、なおかつ巨大な罠とおっしゃる。わたしは空を見
上げて歩いてよくコケます。きっと青空の罠にかかっていたんですね。あれ、違う?
by mizuki_nim | 2005-03-29 22:30 | 題詠マラソン気になる短歌