『塔』3月号掲載歌

行き先を巻き上げている路線バスが右折するまで眺めてしまう

日にいくど死を思うだろう噴水の水が循環しているように

ふっという音の聞こえて噴水は間欠泉のちから象る

しろがねの空よりひかり落ちてくる今日はビニール傘ささむかな

腹のうえに猫乗せおらばゆんわりとわが水たまりぬるみてゆかむ

玄室に射しくるごとく落日が廊下を照らす一時(いっとき)に遇う



(吉川宏志氏選)
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by mizuki_nim | 2010-04-25 22:01 |