『塔』3月号掲載歌

ストールを巻きなおすひとの背景に新幹線がゆっくりよぎる

生きている、とは変わりゆくことならむ父の勤めし社屋あらざり

数寄屋橋に近いからだと父は言いき入社理由を聞きたるときに

ゼロ多き宝飾店のドアマンに買わざる人と見極めらるる

休日の銀座通りにシャンソンが流れてゆるき歩調となりぬ

おばあさんが杖を支点に揺れながら『枯葉』のメロディー口ずさみおり


(吉川宏志氏選)
[PR]

by mizuki_nim | 2011-04-17 20:32 |