塔10月号掲載歌

くすのきの木立ゆ蝉の声きこゆこのへたくそは生まれたてなり

あ、虫とティッシュペーパーに黒きものつまみあぐればゴマのひと粒

ゴマよりも小さな虫がわが指を避けつつ床を全力で駆く

撫子の咲きたる朝にキャスターが明るき声でおはようを言う

チャンネルを変えるたび見るキーパーが足でボールをはじく瞬間

去年白く咲きいしカワラナデシコの鉢が小暗くベランダにある

台風の端の雲から音をたて降れるひかりに街路濃くなる


(三井修氏選)
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by mizuki_nim | 2011-11-16 22:08 |