沈むな

かたはらに桜湯の湯気ほんのりとさみしい人のすむ歌集読む
湯に花のゆるく開きてゆきたるにうつはの白にさくらいろ差す
蔵前でお相撲さんが乗り来るに鬢付け油の香のやはらかし
ひとひらが渡り廊下に落ちてをり名残りの花を手帳にはさむ
ありがたうたのしかつたと君からのメイルをしばし手のなかに持つ
むばたまの夜をうつせる水がきてみづを掻きだす まだ沈むな

(塔7月号 吉川宏志氏選)

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by mizuki_nim | 2014-04-06 14:03 |