しつぽ

残響を抱くがごとき夢でありうしなふことに慣るる仕度を
「痛みとは体の悲鳴」いまひだりあしが絶叫してゐるならむ
ちこちこと歩幅ちひさく歩めるをかつてのわれが追ひ越してゆく
つんつんの葉つぱはさうだ、生垣のひひらぎの花咲きゐるに触る
どこからが快楽(けらく)だらうかぐるぐると首にマフラー巻きつけながら
尾骶骨痛し痛しと歩きゆくしつぽ生えむとするなら許す
とほくとほく枝をのばせる木のもとに<淡路のたまねぎパン>を食べをり
羽根ペンのやうなる雲の流るるに青信号をひとつふいにす

(3月号 三井修氏選)

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by mizuki_nim | 2014-12-29 21:56 |