戦ぐ

はなみづき葉桜さやと鳴りゐるをそよぐといふは「戦ぐ」と書きぬ
バスに旗ついてるよつて子が言ふに日の丸ふたつ動きだすなり
風を受け旗が波打つ祝日を父は「旗日」と言つてゐたつけ
そのまなこにひかり映して少年がカラシニコフといふ銃を持つ
知らなくともよいことが違ふ四十五歳(しじふご)のわたしは銃の重さを知らず
すんすんと職人の指より生るる和紙のこよりのすこやかなこと

(8月号 黒住嘉輝氏選)

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by mizuki_nim | 2015-01-13 19:54 |