001 秋の田の
001: 天智天皇(てんちてんのう)
秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ
あきのたの かりほのいおの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
秋の稲を刈った田の傍にある仮小屋の屋根を葺いた苫が粗くて、わたしの衣は夜露に濡れていますよ。
かりほのいお・・・「刈り穂」に「仮庵(かりほ)」をかけた語。仮に作った庵(いおり)。かりいお。
あらみ・・・形容詞「粗し」+接尾語「み」
「み」は原因・理由を表す。ここでは「粗いので」という意味になる
*作者について
中大兄皇子と言った方が「ああ!」と思うのではないかしら(え、わたしだけ?)。大化の改新の中心人物です。
実は万葉集では
秋田刈る仮庵(かりほ)を作りわが居(を)れば衣手(ころもで)寒く露そ置きける
となっていて、作者不詳の歌なのですが、なぜか改作され、天智天皇作となっています。むむむ。
改作後の歌は、天智天皇が、農民の立場に立って詠んだとされます。
わたしは万葉集のほうがリアリティあって好きです。
本歌取りのキーワード:穂、田
金色が流れる滝に見えるだろう刈り穂のときのバリの棚田は
秋の田の刈り穂のにおい吸い込んで藁にまみれた子らがころころ
2つできちゃったので両方のせます。
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バリ島のライステラス(棚田)
by mizuki_nim | 2005-07-28 20:32 | 本歌取り