005 奥山に

005: 猿丸大夫(さるまるだゆう)
奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋はかなしき
おくやまに もみじふみわけ なくしかの こえきくときぞ あきはかなしき山の奥に散った紅葉を踏みわけて入っていくと、やはり紅葉を踏み分けて入ってきた鹿が妻を恋しく思って鳴く声が聞こえる。そんな時、秋はかなしいものだと思うのだ。

「紅葉をふみわけ」るのは、人か鹿か。説はわかれています。
奥山に紅葉ふみわけ、鳴く鹿の とすると「人」がふみわける
奥山の、紅葉ふみわけ鳴く鹿の とすると「鹿」がふみわける
ですが、作者が鹿に自分を重ねているととらえ、「紅葉をふみわけ」るのは人と鹿の両方という説を採りたいと思います。
鹿は妻を恋うて鳴くと考えられていました。

*作者について
生没年不詳の伝説の歌人。名前からして伝説っぽいですね。

本歌取りのキーワード:紅葉、秋、鳴く、恋う
丸窓に秋の風景切り取って桂離宮に紅葉あざやか
恋しいと鳴ける獣に生まれれば胸が苦しいこともなかった

二首目、鹿というよりは狼の遠吠えのイメージがうかんでしまった。狼王ロボ、ブランカを恋うるみたいな・・・。え、狼王ロボを知らない?シートン動物記っす。

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by mizuki_nim | 2005-07-31 13:29 | 本歌取り