017 ちはやぶる

017: 在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)
ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれないに 水くくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは
神代の昔にも聞いたことがない。龍田川の水を美しい紅色に括り染めにするとは。

ちはやぶる・・・勢いが激しい意で、「神」、また、地名「宇治(うぢ)」にかかる枕詞。
神代・・・神が治めていたという時代。日本神話では、神武天皇の前までの時代。神話時代。じんだい。「神代もきかず」は、「神代の昔語りにも聞いた覚えがない」ということ。
龍(竜)田川・・・奈良県北西部、生駒山地の東側を南流して大和川に注ぐ川。古くからの紅葉の名所。上流を生駒川という。
唐紅(からくれなゐ)・・・《舶来の紅の意》鮮やかな濃い紅の色。
水くくる・・・水を括(くく)り染めにする。括り染めとは、布を所々糸でくくり、まだら模様に色を染め出す染色法。古くは「水くぐる」と解した例も多く、その場合、「川一面を覆い尽くした紅葉の下を水が潜り流れる」意になる。

*作者について
六歌仙、三十六歌仙のひとり、また伊勢物語の主人公とされる。桓武天皇の孫にあたる。

屏風歌(屏風絵の主題に合わせて詠んだ歌)だそうです。

本歌取りのキーワード:屏風歌、川端龍子『草炎』(国立近代美術館蔵)
ぬばたまの漆黒にゆらゆらめいて金の炎の草いきれ見ゆ

屏風歌とのことで、わたくしもまねっこー(←身のほど知らず)。
昨年国立近代美術館で開催された「琳派展」で見た川端龍子『草炎』のことを詠んでみました。黒地に金の濃淡で夏草を描いた作品です。その時初めて見たのですが、しばらくの間その場を動けなかったのを覚えています。

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by mizuki_nim | 2005-09-19 13:30 | 本歌取り