『塔』6月号掲載歌

正面の若き男の口ひげが気になっている夜の医院に

マフラーにあごを埋めて歩みしが根津権現に呼ばれて入りぬ

二年目になりて上手に「申し訳ございません」とつるつる言える

「申し訳ございません」と恋人にも言ってしまいて頭撫でらる

生きるとは恥じることだと思いたり夜の厨に豆を炒りつつ

春連れて歩くがごとしひかがみのあたりで揺れるシフォンスカート



(小林幸子氏選)
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by mizuki_nim | 2008-06-21 22:19 |