カテゴリ:題詠マラソン気になる短歌( 119 )

3月9日のお歌

020:楽 何もかも話して楽になろうかと荷物を運ぶロバも思うか(吉田貴美子)
      わたしはロバじゃないけれどそう思います。ロバととぼとぼ歩いていく様子が浮か
      んできます。


021:うたた寝 天国でうたた寝してる猫たちに会いにゆくんだ。止めないでくれ。(岩波ラスミチ)
       でも、天国・・・。い、一応止めときますね。

022:弓 弓を引くその一瞬が殺意ならその湾曲に殺されるべし(足立尚彦)
      殺されました。

034:背中 たくましく恨んでほしい 師範とはひたに背中を見するがつとめ(謎彦)
      その背中を見て弟子は育っていくのですね。師の背中とは雄弁なもの。

068:四 声に呼ぶ姉・三・六角・蛸・錦・四・綾・仏・高はるのゆうぐれ(春畑 茜)
      京都には通りの名前の歌があるんだそうです。タクシーの運転手さんもこの歌で
      通りの名を覚えるのだと、京都出身でない運転手さんが話してくれました。
      子供達の歌声が聞こえてくるようです。

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by mizuki_nim | 2005-03-23 22:50 | 題詠マラソン気になる短歌

3月8日のお歌

013:焦 焦糖(カラメル)を厚さ二倍に敷きつめたプリンをいつかプッチンしたい(謎彦)
     したいしたいしたい!プリン好きでカラメル好きの心を捉えてしまった一首。

019:アラビア 日に晒せばハラリめくれる古文書にアラビア文字のごとき虫食い(望月暢孝)
     曝書ですね。確かにあの虫食い跡はアラビア文字のようです。

032:乾電池 直列の乾電池なら燃える恋並列ならば茶が入ったぞ(岩井聡)
     じゃあ、わたしのは繋ぎ方が悪いのかしらん?

046:泥 蓮華座に 坐(いま)す仏の 法(のり)思(も)えば 慈悲の心も 泥に咲く花(那賀神 哲)
     蓮華の花の上の仏様が浮かんできます。素敵な歌ですねぇ。

093:ナイフ 近頃はナイフ使えぬ子ばかりと聞けば懐かし彼(か)の肥後守(ひごのかみ)(西中眞二郎)
     この歌を読んで、昔、父が肥後守で鉛筆を削ってくれていたのを思い出しました。
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by mizuki_nim | 2005-03-22 21:54 | 題詠マラソン気になる短歌

3月7日のお歌

003:つぼみ 咲かぬまま落ちたつぼみの中心で花粉がそっと輪廻をはずれる(阿部定一郎)
    落ちてしまったつぼみは輪から外れてしまう。それをこんなに美しく詠むなんて。

007:発見 ほんとうは誰も愛してないんだと雑踏の中に発見する春(華音)
    ガツン!やられました。わたしのことです。

009:眠 百年も眠り続けてゐるやうな店主 黒猫 棚の『明暗』(前野真左子)
    古本屋さんですね。居眠りする店主(おじいちゃんがいいな)に猫。いいです。
    棚にあるのが『明暗』というのもいい。


097:静 コルボ振る慈愛静けさ鎮魂のフォーレを聴きて心満ちたる(謎野髭男)
    フォーレの「レクイエム」が聞こえてきました。恥ずかしながら「コルボ」がわからなく
    て、調べましたら、指揮者でした。コルボのフォーレ、聴いてみたいです。


連作でお楽しみ下さい。
058:剣 手裏剣を構えてピタリ石と化し敵の出方を窺う忍者(田貫 砧)
059:十字 石に化け敵を窺う058の忍者の尻に十字手裏剣(田貫 砧)
     もうPCの前で声を出して笑ってしまいましたよ。無条件に好きです。
     そういえばこんなCMあったような・・・。

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by mizuki_nim | 2005-03-22 21:01 | 題詠マラソン気になる短歌

3月6日のお歌

010:線路 生命線運命線路線図を掌中に秘めずんずんと行く(足立尚彦)
命も運命も路線図と一緒ですか。ずんずんと行くというのが力強くて好きです。

010:線路 理想的三角関係認定書 線路 枕木 砂利 の皆様(久哲)
ここまで理想的な三角関係もないでしょう。「三角関係」との見方にやられました。

028:母 夕暮れに飛び来る鳥の数ほどを分母と定め愛してあげる(黒田康之)
分子は1なのでしょうか。鳥の数が多ければ多いほど愛は小さくなる?

031:盗 君と逢い花盗人と呼ばれしをたった一つの勲章として(蜂田聞)
この花盗人ならば罪にはならない。素敵な花だったんですね。

060:影 地の果てに不気味な影を追い詰めしゲドは呼びたりその名を「ゲド!」と(謎野髭男)
『ゲド戦記』ですよ!”ことばは沈黙に”です。読み返したくなりました。
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by mizuki_nim | 2005-03-21 20:35 | 題詠マラソン気になる短歌

3月5日のお歌

002:色 帝王と恋をするとき寒色の太陽われの頭上にありて(寺川育世)
黄泉の帝王トートとエリザベートを連想しました。

002:色 3月、そして誰もいなくなつた はだいろの色鉛筆をなくしたり虎のバターの復活のはる(高澤志帆)
『ちびくろさんぼ』復刊のはる!日本では「はだいろ」ってあの色だけれど、国によって「はだいろ」は違うんですよね。

007:発見 神さまに目隠しされて人間が発見できないいくつかのこと(五十嵐きよみ)
世の新発見とは神さまが目隠しを解いてくれるからできることなんですね。

078:携帯 懐に携帯されるモノのごといつも居るとは思うなよ君(葛城)
まったくその通り!気が付いたら居なかった・・・なんてことも充分ありうるのです。
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by mizuki_nim | 2005-03-21 13:21 | 題詠マラソン気になる短歌

3月4日のお歌

006:時 低温により固まった時はあたためて下さい 肌の温度で(もりたともこ)
きっと人の取扱説明書ですね。私の取扱説明書はどこにやったかなぁ。

008:鞄 どこまでも旅をしたっけ海風も砂漠の夜も鞄の底に(宵月冴音)
旅心に火がつきそうな一首。鞄には何でも入っている。

013:焦 焦らずにまてば玉子の豆の種「まめでるもん」が割れて芽を吹く(やそおとめ)
「まめでるもん」があまりにかわいらしくて素通りできなかったのです。わたしもほしい。

016:たそがれ たそがれに邂逅(まみ)えし君は鈍色の影を携え遙と消えゆく(葛城)
美しいです。「逢う魔が時」という言葉を使わずにそれを表しているように思います。

027:液体 鉢植えに液体肥料さすように効き目あるもの心にほしい(落合葉)
ああ、わたしもほしいです。是非!
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by mizuki_nim | 2005-03-21 13:08 | 題詠マラソン気になる短歌

3月3日のお歌

002:色 名前など関係なくてあなたから見える私は何色ですか(新藤伊織)
こんな風に聞かれたらなんと答えたらいいのでしょうか。

003:つぼみ 咲く前のつぼみがいいのでしばらくはそっと見守っていてください(古内よう子)
「はい。わかりました!」と言いたくなりました。

008:鞄 鞄には夢ではなくて大阪の女の首があるかもと言う(ゆか)
怖っ!大阪の女というところが妙にリアルです。

014:主義 人前で泣かない主義だと言い張って頑なに心開かぬは君(星桔梗)
も、もしかして私のこと?と思ってしまいました。

019:アラビア アラビアの文字密やかに燃ゆるまで繰り言ひとつ花ひらくまで(行方祐美)
文字の燃えていくイメージが浮かびました。素敵の一言。
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by mizuki_nim | 2005-03-20 20:09 | 題詠マラソン気になる短歌

3月2日のお歌

002:色 魂の色を探して歌を詠むたぶん一生満たされぬまま(有田里絵)
思わず深ーく肯いてしまいました。

004:淡 リスボンでファド歌う歌手年配で誰が名付けし淡谷のり子と(啖呵)
あははは、うまい!そういえばファドを聴きに行った時そんな感じの女性歌手がいたような気がします。

004:淡 ふんわりと淡くからまる綿菓子に今日も騙されべたべたしよう(穴井苑子)
『ゆっくりさよならをとなえる』(川上弘美著)「ベタベタ」というエッセイを思い出しました。

006:時 わたくしは新月である 時を汲む井戸への道を闇で照らそう(中村悦子)
昨日の一首と同じくイメージが広がっていきます。闇で照らす、なんてなかなか出てこない。

007:発見 わたくしを勝手に発見したあとは変な名前をつけるのですか(穴井苑子)
化石など「勝手に発見」されたものには長い妙な名前が多いですよね。素朴な疑問という感じが好きです。
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by mizuki_nim | 2005-03-20 20:07 | 題詠マラソン気になる短歌

3月1日のお歌

001:声  歌よりも声に浸るがためだけに白鳥英美子の曲聴きており(生沼義朗)
声に浸るってよくあります。声が好きだから聴く。わたしも白鳥英美子さんの声は大好きです。

002:色  あの惑星(ほし)に忘れた秘色見張らむと神のまなこの燃ゆる暁(中村悦子)
読んですぐに萩望都さんや佐藤史生さんの描くようなイメージが広がりました。うっとり。

005:サラダ 欲深い恋を戒めコンビニのサラダひとつで今日はおしまい(愛観)
かわいらしいなぁと。恋って欲深くて当たり前なのに、戒めでサラダ一つなんて。こういう人好き。

007:発見 火を付ける指先の動き見ていれば君の迷いを発見したり(みやちせつこ)
相手は煙草を吸うんですね。いつも観察しているからこその発見です。

021:うたた寝 千年のうたた寝をして猫又の尾にかわりたり猫のゲンゾー(谷口純子)
ゲンゾーという名前がいい!千年もうたた寝したら猫又にもなりますって。でも、どの猫もなれるわけじゃあない。ゲンゾーだからこそなれるに違いない。
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by mizuki_nim | 2005-03-20 20:01 | 題詠マラソン気になる短歌