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朝日歌壇

投票所の壁際に亀立ち上がりひっくり返ってまた立ち上がる (永田和宏氏、佐佐木幸綱氏選9/21)


夢に来る父はふっくらしておりて明け方静かにかえりてゆきぬ (馬場あき子氏選 10/12)
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by mizuki_nim | 2009-10-31 20:30 | 投稿短歌

塔10月号特別作品

金沢行

連山ののち海の見え飛行機は滑走路へとかろく降り立つ

海沿いの高速道を走るとき海が破線のごとく現わる

満員の<秋聲号>とうボンネットバスを見送る 秋声ってだれ

   金沢城公園そばの白鳥路には三文豪の像がある
それぞれの手に赤き花のせられて秋声鏡花犀星がおり

夕暮れの遊歩道にて犀星が黒き羽ペン持ちて詩を書く

   21世紀美術館屋外展示 フローリアン・クラール「アリナのためのクラング・フェルト・ナンバー3」
「もしもーし」どこのどなたの声なるか未知と繋がりいる筒電話

宇宙人との交信もできそうでラッパに顔を突っ込んでみる

双手(もろて)垂らし芝生に立てるわが胴を貫くようにつばくらめ飛ぶ

犀川大橋横切る鳶はいと鋭き横顔見せてのち上昇す

「見た?」「見た!」と妹と顔見合わせぬ猛禽類のくちばしのカーヴ

鷹匠のごとくこぶしを突き出せばよかったと鳶の旋回のした

   雨宝院のお地蔵様は10の願いをきいてくださるのだと、帰京して知った
門の脇にお地蔵さんが笑まいおり犀星も手を合わせたろうか

テクストの文字立ち上がる心地せり犀星の詩を肉声に聴きて

   泉鏡花記念館
館長さんふいにあらわれ手を広ぐ「生家はこっちに建っていました」

道々に和菓子屋酒屋のぞきいるわれらはだらな姉妹と思う

右側に座ると海が見えるよと運転手さんが教えてくるる

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by mizuki_nim | 2009-10-17 22:01 |

『塔』9月号掲載歌

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翳りたる斜面の砂の冷たさを足裏(あうら)で押して日本海見る

てっぺんの砂あたたかし沖合いに海士島(あもうじま)とう鯨(いさな)の浮かぶ

おみなごの発光しいる手のひらに顔寄するときほたるのにおい

家持の歌碑のあたりを幼子がぐるぐる回り笑い声上ぐ

雨滝(あめだき)の原生林に還りゆく鹿の頭蓋は白々と美(は)し

帰京して八百屋に砂丘らっきょうを見つく わたしは畑を見たよ


(真中朋久氏選)

6月に鳥取のほたる歌会に行ってきました。
歌会の後、鳥取砂丘やほたるを見るというオプション付き。
生まれて初めて蛍を見て、感動しました。
翌日は鳥取歌会の方々に家持の歌碑や滝やカキツバタの群生地に連れて行ってもらいました。
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by mizuki_nim | 2009-10-13 21:19