『塔』10月号掲載歌
地下鉄の座席であれは梔子の匂いだったと思い出しおり
分け合うからおいしいのかもしれないねガラスの皿にさくらんぼ盛る
麻がらのはみ出す袋さげてゆく人多くなり盂蘭盆近し
窓枠のなかをななめに突っ切って千鳥模様のように飛ぶとり
迷惑をかけぬ死に方考えて日照雨の中を駅まで歩く
われのあとを河童がついてきたようだぺたぺたという足音聞こゆ
強風が窓に吹きつく狂言の世界で犬はびょうびょうと鳴く
(小林幸子氏選)
by mizuki_nim | 2009-11-03 18:57 | 塔
地下鉄の座席であれは梔子の匂いだったと思い出しおり
by mizuki_nim | 2009-11-03 18:57 | 塔
ファン申請 |
||