平泉
観自在王院跡への抜道を歌の仲間と行く猫になり
どんぶらこって何か流れてきそうだね<遣水>なれば歌流れこよ
連名で護摩木を納め手を合わす歌が上手になりますように
雅史くんの撞きたる鐘の残響がからだのなかに静もりゆきぬ
生まれたての蜻蛉を代わる代わる見る雨上がりたる朝のさ庭に
うすらいのようなとんぼの翅ひかる美(は)しくあらむとしてあらざるに
ゆるゆると鳰照る月見坂のぼりモリアオガエルの卵に出会う
いそのかみ旧き鞘堂見上げつつ子供のころを語れる人よ
(『塔』10月号 池本一郎氏選)
by mizuki_nim | 2012-12-08 21:11