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1のつく日に書いてみる(1)

曜変天目茶碗を巡る旅

器の中に宇宙を持つ茶碗で、世界に3点しかないと言われているのが曜変天目茶椀。
この3点(いずれも国宝)が、東京(静嘉堂文庫)、奈良(奈良国立博物館)、滋賀(MIHO MUSEUM)でほぼ同時期に公開されている。
特に、MIHO MUSEUMで公開されているものは、大徳寺塔頭の龍光院所蔵で一般公開していない寺院なので、まず、目にすることができない(と思っていた)。
もう生きているうちに三碗を同時期に見るなんてことはおよそありえないだろうということで、小さな宇宙を見に行くことにした。


1.静嘉堂文庫(静嘉堂文庫所蔵)
まずは、近場の静嘉堂文庫。
稲葉家にあったことから「稲葉天目」とも呼ばれる。自然光の入るラウンジスペースに置かれていた。
模様がくっきりしている。
360度ぐるりと回る。見る位置によって模様や色が変化する。内側だけではなく外側もよく見える(といっても外側に模様はない)。
すごい。
国宝をラウンジスペースにしかも自然光の中に置いてくれた静嘉堂文庫、すごいぞ。


2.MIHO MUSEUM(龍光院所蔵)
滋賀県甲賀市にある美術館で、3館の中でアクセスの不便さで一番ハードルが高い美術館。石山駅からバスで小一時間。(バスは一時間に一本)
GW中でいつもよりも人が多いためか、臨時バスが出ていた。
龍光院は黒田長政が父の黒田如水の菩提を弔うために建立したお寺だということを初めて知った。
開祖の江月宗玩和尚は堺の豪商天王寺屋・津田宗及の次男。茶碗は天王寺屋から寄進されてから400年間所有者が変わることなく伝えられてきたもの。
三碗の中では一番地味、らしい。
いやいやいや、そんなことないっすよ。
こちらは照明が抑えられた部屋で茶碗の外側(模様はない)は見えない。
これも360度ぐるりと回る。伸びあがって内側の底まで見る。
瑠璃色も見えたのだが、銀色の印象が強く残った。


3.奈良国立博物館(藤田美術館所蔵)
現在改装中の藤田美術館のお宝を一同に会した展示の目玉。数年前にサントリー美術館でも展示されていて、その時に観ている。「曜変天目」というとわたしはこの茶碗が思い出される。
水戸徳川家に伝わっていたが、売りに出されたところを藤田平太郎が購入した。
360度回って、中も覗き込む。瑠璃色がきれいだ。三碗の中で唯一外側にも模様があるのだが、今回はあまりよく見えなかった。
一番瑠璃色でオーロラのようで宇宙っぽい。


by mizuki_nim | 2019-05-11 21:36 | 徒然につづる