2005年 04月 30日 ( 7 )

待ち伏せられる

『詩歌の待ち伏せ 上・下』北村薫著 文藝春秋社 上2002.6 ISBN4163586202 下2003.11 ISBN4163653600

「詩歌」なので短歌だけではないが、石川啄木、塚本邦雄、佐々木幸綱、藤原定家、慈円、中城ふみ子・・・多くの歌人が取り上げられている。

筆者を「待ち伏せていた」詩歌についての一考察である。本屋で、家で、図書館で、どこででも待ち伏せする詩歌がいる。そこからまた新たな詩歌に出会う。

上巻、「ふらここ」という言葉の陰で介子推やブラッドベリが待ち伏せているなんて、まるで思わなかった。

下巻、土井晩翠の「星落秋風五丈原」から藤原定家、慈円そして伏見院の歌が引っ張られるように出てくるのは、詩歌が「待っていた」のだとしか思えない。

こういう「待ち伏せ」は誰にでも経験のあることではないだろうか。そんな時の心躍る嬉しさを思い出した。

この人の小説は大好きで読んでいたのだが、詩歌についてのエッセイがあったとは気がつかなかった。
わたしはこの本に図書館で待ち伏せされていたのだ。うれしいこと!

「同じ言葉に向かい合っても、人によって思うことは違うものです。」上 p.56
「作品があればそれで十分‐というのは、潔い態度のようです。しかし、一人の読む力には限りがあります。
 作品に関する作品が存在するのは、ありがたいことだと思います。このように、見えない世界を開いてくれるのです。」上 p.80-81
「なるほど、真実は一つと決まったものではありませんね。」上 p.180
「表現者が、動かし難い一語を探すという話は、いくらもあります」下 p.48

尚、わたしは未読だが、『詩歌の待ち伏せ 続』が2005年4月に刊行されている。
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by mizuki_nim | 2005-04-30 21:45 | 徒然につづる

043:馬

円らかな瞳の馬が近づいて歯をむき出してイヒヒと笑う
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by mizuki_nim | 2005-04-30 20:23 | 題詠2005

042:官僚

今朝彼は飛んでしまった 官僚という呪縛から解き放たれて
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by mizuki_nim | 2005-04-30 20:23 | 題詠2005

041:迷

闇にさす光の色は金だったそして迷いを撃ち抜く声は
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by mizuki_nim | 2005-04-30 20:23 | 題詠2005

040:おとうと

先立ったおとうとの名を絞り出す伯父をあわれと見ていた われは
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by mizuki_nim | 2005-04-30 20:22 | 題詠2005

4月10日のお歌

021:うたた寝 雨粒が屋根たたく音きいているたんたんたたたたたたうたた寝(上澄眠)

031:盗 春だから君を盗むよ。つめくさを編みこむようにはがいじめして(みあ)

032:乾電池 我の背の乾電池外せばリモコンは解かれて空へ翔べるだらうか(茶琥チヤ子)

042:官僚 官僚も退官したればただの人父さん今宵は飲み明かそうよ(落合朱美)

043:馬 イケメンの王子とダンスしてるのにカボチャの馬車の中身気になる(秋中弥典)
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by mizuki_nim | 2005-04-30 20:20 | 題詠マラソン気になる短歌

4月9日のお歌

008:鞄 座席下大きな鞄はみうみうと鳴きだす電車はラッシュ突入(美作直哉)

020:楽 楽になる手段はたぶん見つからない 君に殺してもらうよりほか(海神いさな。)

037:汗 目から汗なんか出ないぜ 何もかも流してしまうそれは涙だ(あみー)

091:暖 揺りかごのようなあなたの腕のなか暖かな夢みる夢をみる(丹羽まゆみ)

096:留守 意を決し ダイヤル回して繋がれば「ただいま留守にしております」か(かすいまこと)
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by mizuki_nim | 2005-04-30 20:15 | 題詠マラソン気になる短歌