市役所が手すりをつけてくれたとう平屋に祖母がひとりで暮す
大叔父の死が地方紙の記事となり大往生にあらざるを読む
酔えばなお聞きとることの難しき山形弁がもう聞けぬのだ
弟を亡くしし祖母に電話口で元気かなどと言ってしまえり
一滴も涙が出ないと祖母が言うなんでだろうねと張りなき声で
警察から戻され次第密葬をすると聞きおり通夜はあらざり
終わりました。仕事帰りにケータイを開けば母よりメール一行
いつからかどこからか死はあわられてわれの周りをゆらゆら踊る
(三井修氏選)
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▲ by mizuki_nim | 2010-06-06 21:01 | 塔