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さまよえる歌人の会

昨日は、さまよえる歌人の会に行ってきました。
歌人の石川美南さんが中心になって、開かれている歌集勉強会です。
今回は服部真里子さんの第一歌集『行け広野へと』を取り上げました。
学生医短歌会の方お二人がレポーターとして、レジュメをまとめて、
発表されます。
この発表がとても素晴らしくて、自分がもやもや思っていたことを
見事に言語化してくださいました。
そうそう!それ!と発表中何度もうなずいてしまいました。

歌集単位、連作単位で読んでいくところが、歌会とは違います。
構成や文体にも話が及ぶところも興味深いです。
学生短歌会等20代の若い方の意見を聞くことができるのも魅力です。
結社に入っていない方も参加されますので、幅広い意見が聞けます。

最後に自分の好きな一首を発表するのも、(たいへんだけど)楽しいです。
わたしは、今日の好きな歌として
  何らかの口止め料のようにして眠るキャベツを受け取っている  服部真里子 『行け広野へと』
を選びました。

さまよえる歌人の会が気になった方はこちらをどうぞ。

# by mizuki_nim | 2015-01-25 16:16 | 徒然につづる

ランチとトキワさん

定時をすぎて帰ろうとかばんを出したら、お弁当の包みが。
まあ、それは持ってきたのだからあるのは当然なのですが、中身が入っているのです。
あれ?
わたし、今日、お昼ご飯食べてないの?
外に出た覚えはないので、食べていないのでしょうねえ。
ご飯を食べていないことにずーっと気が付かずにいたことにびっくりです。
ちょうどお昼ごろに、立て続けに調べものが出て、調べているうちに忘れちゃったのか。
忘れちゃったんですねえ。
わたし、食べることだけは絶対忘れないって思っていたのですが、自信がなくなりました。

そうだ、今日は朝に知らない番号から着信があって
若い男の人の声で
「あ、トキワです」
「え?」(トキワさんて知り合いいたっけ?しかもわたしのケータイ番号を知っているトキワさんて?)
「トキワです」
「どちらのトキワさん?」(昔、塔にトキワさんていたっけな。でも番号は知らないはず)
「……」(むこうのトキワさん、沈黙)
「……」(待つ)
「すみません、間違えました」
こんなやり取りもあったのでした。

今日はきっとちょっといつもと違うことが起きる日だったのでしょう。



# by mizuki_nim | 2015-01-20 22:46 | 徒然につづる

夏去る

粒の数ひげのあるらし湯のなかにとうもろこしを二本しづめつ
ハンドルをまはすと落つる削り氷(ひ)のそのふはふはの白きを愛す
止むまでを見上ぐる空のあかるくて明日あなたに会へる気がして
いつのまにか俺となりたる君がゐてほつけをむしり話しやまざり
軒先のお祭り提灯しまはれてここより夏はゆるり去りゆく

(11月号 花山多佳子氏選)

# by mizuki_nim | 2015-01-18 22:27

五年生存率

つづまりはわたしの視線 席を立ち泣く人の背を追へるカメラの
坂道の細き歩道をゆらゆらとのぼる 時をり日傘かしげて
あと一年経たば五年生存率56%に入る
スカートをふくらませつつをみなごがペダルぐいぐい踏む上り坂
大きさが四種類ある町会の半纏購入案内貼らる

(10月号 吉川宏志氏選)

# by mizuki_nim | 2015-01-17 15:55 |

みづのゆくへ

県境に分水嶺のあり川の流れが変はるといふアナウンス
大山の右にあらはれ昨夜(きぞ)買ひし天然水はあの山のみづ
窓ぎはに頬杖をつくわがかほを透けて若葉のみどりが流る
降つてきた。手のひらで頬ぬぐふとき海にゆかない雨粒これは
見えずとも分水界のあることの、さやうならとも言はずに別る
結局はひとりなんだよ海面におのれの影を落とす飛行機

(9月号 栗木京子氏選)

# by mizuki_nim | 2015-01-15 20:39 |